心臓と運動についての豆知識

心臓と運動についての豆知識

「健康維持のために適度な運動を」と言われますが、「適度」ってどのくらい?

もちろん、「テキトーに自己判断で」という意味ではありません。知っておいていただきたいキーワードは、「有酸素運動」、「ATレベル(ニコニコペース)」、そして「トレーニングの原則」です。
通常「適度な運動」といいますが、その内容として、運動の種類、強度(程度)、継続時間、頻度(回数)を具体的にすることが必要で、これを「運動処方」といいますが、当院では可能な限り、「心肺運動負荷テスト(CPX)」の結果をもとに「運動処方」をいたします。

有酸素運動とは

いわゆるエアロビック・エクササイズのことで、比較的弱い筋力で、リズミカルにかつ持続的に行う運動(ウォ-キング、水中運動など)をさします。体脂肪も効率よく燃焼し、生活習慣病やストレス解消にも有効です。

ATレベルとは

運動が激しくなるにつれ、酸素が不足した筋肉で乳酸が産生され、体(血液)が酸性に傾きはじめます。すると、これを中和する働きが活発化し、その結果、二酸化炭素が余分に吐き出されますので、酸素消費量と二酸化炭素排出量の関係を見ていると、どの程度の運動強度で体が酸性に傾きはじめてきたかがわかります。このときの運動強度が嫌気性代謝閾値(AT)と呼ばれるもので、この程度の運動が、体への負担も少なく、かつ効率的な運動といえます。息がはずまないで隣の人と会話ができる、いわゆる「ニコニコペース」で良いのではなく、「ニコニコペース」が良いのです。

トレーニングの原則とは

  • 特異性の原則:(個々のスポーツの特徴に合った)筋力や持久力など、目的に応じたトレーニングが必要であること
  • 過負荷の原則:トレーニング効果が現れるには日常生活よりも強い負荷が必要であること
  • 漸増性の原則:負荷の強さは徐々に増加していくべきこと
  • 可塑性の原則:トレーニング効果は、それを中止すると失われてしまうこと
  • 適度の原則:長期間にわたってトレーニング効果を維持するためには、(上に述べたように)適度なトレーニングが望ましいこと

心肺運動負荷テスト(CPX)とは

あなたがどれだけの運動負荷に耐えられるか(運動耐容能)をみるものです。軽~中等度の心臓病や生活習慣病(高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満など)の患者様に対して運動療法を行うために応用されます。
フェイスマスクをつけて、背もたれつきのエルゴメータを用いて、ペダルがだんだんと重くなるような運動負荷をおこない(マスクには大きな穴が開いており、外の空気が吸えますが、若干の違和感があるでしょう)、呼気中の酸素摂取量と二酸化炭素排出量を測定します。
運動が激しくなるにつれ、体(血液)が酸性に傾き、二酸化炭素がたくさん吐き出されますので、二酸化炭素排出量を見ていると、どの程度の運動強度で体が酸性になってきたかがわかります.このときの運動強度が嫌気性代謝閾値(AT)と呼ばれるもので、後に述べるような特徴を生かして、運動処方に利用されます。

嫌気性代謝閾値(AT)とは

ATを運動療法の処方強度として用いた場合、1)有酸素運動の範囲なので長時間の持続的運動が可能。2)高血圧や糖尿病、肥満、高脂血症など生活習慣病の危険因子を改善するための運動強度として望ましい代謝強度である。3)心臓に悪影響を生じにくいなど多くの利点があります。また、これまでの多くの成績から、(心臓リハビリにおける回復期運動療法では)約20%の運動能力の増加も期待されています。

守っていただきたいこと、注意点

ウォームアップ、クールダウンを行いましょう

運動の開始前に、体に準備状態を作ることが怪我や心臓への負担を防ぐことにつながります。また、運動は急に中止せずに呼吸を整えましょう。運動後のストレッチ体操は筋肉の疲労をためにくくすると言われています。

休息もしっかりとりましょう

運動のしすぎはむしろ「百害あって一利なし」です。トレーニングの効果を上げ、骨関節や心臓への負担を防ぐためにも、適度な休憩、休息が(十分な栄養も)必要です。「休んだほうがいい」のではなく、「休まなくてはいけない」のです。義務感にかられて、「頑張る」ことは決して良くありません。

最も大切なこと、そして最も難しいこと、それは継続することです

私たちは、子供が毎日同じ遊びに熱中するようには運動を継続することは出来ません。みなさん一人一人が、自分にとっての運動の目的や目標を見出し、ご自身の強い意志で運動を継続できるように望みます。そこから自分なりの喜びや達成感が獲得されればそれこそすばらしいことです。
余計なことかもしれませんが・・・「楽しい」、「快適で気持ちいい」だけでも、十分に運動の目的は果たせたかと思います。どうせやるなら「目で見える効果を実感したい」とか「科学的な裏づけやデータが欲しい」という方もおられるでしょう。私たちは、医学的な見地から、1人1人の要望に適った運動療法を、安心して受けられるように応援します。
何より「百聞は一見に如かず」です。詳しくお尋ねになりたい方は、お気軽にご相談ください。皆様の「やる気」をお待ちしています。

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